2007 年 59 巻 1 号 p. 67-72
バックステップ上流に微小な段差が存在する場合,大きなピーク性の音が発生することがある.この音の発生機構及び段差位置・形状が音に及ぼす影響を明らかにするため,高精度な圧縮性LESによる音の直接計算を行った.その結果,段差から発生した渦が発達し,バックステップにおいて音を発生させ,この音が上流に伝わり段差前縁において再び渦を誘発するといったフィードバックループが形成されていることが分かった.更に,段差形状・位置が段差後流における渦構造へ与える影響を明らかにし,渦が2次元性を保ち,バックステップまでに十分に発達する際にピーク性の音を発生させることが分かった.