生産研究
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特集 工学とバイオ
特集に際して
研究速報
  • 玉置 励伊, 杉原 加織
    原稿種別: 研究速報
    2026 年78 巻2 号 p. 93-96
    発行日: 2026/05/01
    公開日: 2026/05/22
    ジャーナル フリー

    ポリジアセチレン(PDA)は,共役主鎖のねじれによって力を検知し,色変化や蛍光発光を示すメカノクロミックポリマーである.このPDAの青から赤への転移する特性を利用した温度,イオン,生体分子などの検出を目的とした様々なバイオセンサーが実証されている.2018年,杉原グループはナノスケールでのせん断力を定量化する技術である摩擦力顕微鏡の精度を向上させ,この技術をPDAに初めて応用することを実証した.Zhengらは,pHとNaClによるPDAの力感度を上昇させる効果を明らかにした.しかし,pHとNaClの効果では力感度を完全に制御できず,製品化には依然として課題が残る.脂質膜はイオン選択性を有するため,他のイオンが力と蛍光の相関に与える影響を調査する必要がある.本研究では,イオンの種類がPDAに及ぼす影響を調査した.

研究解説
  • シニョレ ゴティエ, ソインデレール エターン, 杉田 純一, 藤生 克仁, 年吉 洋, ティクシエ三田 アニエス
    原稿種別: 研究解説
    2026 年78 巻2 号 p. 97-101
    発行日: 2026/05/01
    公開日: 2026/05/22
    ジャーナル フリー

    心血管疾患は現在,世界的に主要な死因となっております.診断や治療において著しい進歩が見られる一方で,特に心臓と脳の複雑な相互作用に関わる多くの根本的なメカニズムは,依然として十分に解明されていません.神経心相互作用は,生理的状態および病態状態のいずれにおいても,心臓機能の調節に極めて重要な役割を果たしております.本プロジェクトの主な目的は,神経細胞と心筋細胞間の相互作用について,現実的で制御されたマルチモーダル測定を実現するため,in vitroでの神経-心臓共培養を可能とするマイクロ流体プラットフォームの設計・開発を行うことにありました.

  • 尾形 慧祐, 中野 静香, 近藤 誠, 坂口 勝久, 松永 行子
    原稿種別: 研究解説
    2026 年78 巻2 号 p. 103-109
    発行日: 2026/05/01
    公開日: 2026/05/22
    ジャーナル フリー

    血流により血管内皮細胞表面に生じるシェアストレスは,血管機能の恒常性維持および血管疾患の発症・進展に関与する重要な力学刺激である.しかし,生体内では多様な要因が複雑に絡み合っているため,シェアストレス単独の血管内皮機能への影響を体系的に理解することは容易ではない.本稿では,血管内皮におけるシェアストレス応答の分子機構を概説する.併せて,同研究領域において用いられてきた代表的なin vitroモデルを,各モデルの有する特性に基づいて紹介する.これにより,血管内皮におけるシェアストレス応答を評価するための実験モデル選択の指針を示すとともに,高解像度な血管内皮応答解析に向けた今後の研究展開について論じる.

  • 小關 則統, 近藤 誠, 松永 行子
    原稿種別: 研究解説
    2026 年78 巻2 号 p. 111-118
    発行日: 2026/05/01
    公開日: 2026/05/22
    ジャーナル フリー

    がん転移は血管系を介して進行する複雑な多段階プロセスであり,その分子機構の解明は新規治療標的の同定に不可欠である.近年,生体模倣システム技術(microphysiological systems: MPS)の発展により,従来の動物モデルや2次元培養系では再現困難であったがん微小環境における腫瘍と血管の相互作用を,血管内腔・血管内膜近傍・間質の各コンパートメントにおいて種々の生理学的条件下で可視化・定量化することが可能となりつつある.本稿では,血管の空間的位置に基づきがん転移の場である血管内腔・血管内膜近傍・間質の3層に分類し,各微小環境における細胞間コミュニケーションとそれを再現するMPS研究の最新知見を概説する.

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