生産研究
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最新号
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巻頭言
特集 乱流シミュレーションと流れの設計(TSFD)
特集に際して
研究速報
  • 半場 藤弘
    原稿種別: 研究速報
    2021 年 73 巻 1 号 p. 5-9
    発行日: 2021/01/01
    公開日: 2021/02/13
    ジャーナル フリー

    非一様乱流をよりよく理解し予測するために,フィルター平均速度に着目して2 点速度相関や乱流エネルギーを物理空間においてスケール分解した.長さの2 乗のs をスケールとしたフィルター関数を導入し,3 種類のフィルター平均速度を考えることにより,非一様乱流のスケール空間の乱流エネルギー密度の新しい定義を提案した.第1 段階として,一様等方乱流のDNS データを用い,フィルター平均速度の乱流エネルギーと2 点相関の分布を調べ,それらのスケールs への依存性を考察した.

  • 稲垣 和寛
    原稿種別: 研究速報
    2021 年 73 巻 1 号 p. 11-15
    発行日: 2021/01/01
    公開日: 2021/02/13
    ジャーナル フリー

    Lagrange 的くりこみ理論を用いて,鏡映対称性の破れがLagrange 応答関数におよぼす効果について解析した.通常のLagnrange 応答関数は鏡映非対称成分が必ずゼロとなることがわかった.また,鏡映対称成分は鏡映対称性の破れの効果を直接的には受けないことがわかった.代替Lagrange 応答関数と呼ばれる量は鏡映対称性の破れの効果を陽に受けることがわかった.しかしながらスケール相似なスペクトルや時間スケールの下では,鏡映対称性の破れの効果が消失することがわかった.

  • 堀江 真惟人, 半場 藤弘
    原稿種別: 研究速報
    2021 年 73 巻 1 号 p. 17-21
    発行日: 2021/01/01
    公開日: 2021/02/13
    ジャーナル フリー

    乱流境界層で壁垂直方向に系回転を加えたときに乱流ヘリシティが発生することが知られている.この生成輸送機構を理解するため,回転チャネル乱流のLES を用いて乱流ヘリシティとそれを3 つの項に分解した項の収支式の各項の寄与を調べ考察した.回転パラメータが0.01-0.02 と小さい場合において,領域全体を通して圧力拡散項が乱流ヘリシティの生成に寄与していたことがわかった.一方で乱流ヘリシティを3 つの項に分解すると,hxx とhzz がhyy より卓越しており,hxx とhzz の収支式では生成項の寄与が最も大きくなった.

  • 小山 省司
    原稿種別: 研究速報
    2021 年 73 巻 1 号 p. 23-28
    発行日: 2021/01/01
    公開日: 2021/02/13
    ジャーナル フリー

    流体工学で用いられる典型的な乱流モデルであるk - ε モデルは,平均量を算出するに際し渦粘性係数を乱流エネルギーk とその散逸率 ε で表す渦粘性モデルである.ただし,k - ε モデルで再現できる流れ場は,レ イノルズ応力のひとつのせん断成分が支配的で,垂直成分が平均流れに寄与しない簡単な流れ場の場合である. k - ε モデルをそれより複雑な流れ場に適用できるよう拡張する一つの方法として速度ゆらぎと渦度ゆらぎの 相関量である乱流ヘリシティを用いる方法がある.流れ場に系の回転が加わるエクマン境界層では,乱流ヘリシティが出現する.本研究では,エクマン境界層のDNS データベースを使い乱流ヘリシティを予測し,それを通してレイノルズ応力に加わる補正項を定量的に算出し,その効果を考察する.

  • 横井 喜充
    原稿種別: 研究速報
    2021 年 73 巻 1 号 p. 29-36
    発行日: 2021/01/01
    公開日: 2021/02/13
    ジャーナル フリー

    プルームに代表される時間・空間的に局在した流れ構造は,対流の乱流輸送で大きな役割を占める.対流乱流での質量,運動量,エネルギー輸送を,時間平均と空間平均とからなる二重平均の操作を用いて考察する.二重平均操作で,場の量は時空平均(時間平均を空間平均したもの),分散ゆらぎ(時間平均量の時空平均からのずれ),乱雑ゆらぎ(時間ゆらぎ)に分解される.平均場の方程式に現れるレイノルズ応力などの乱流相関を,分散(コヒーレント)相関成分と乱雑ゆらぎ(インコヒーレント)相関成分に分ける.相関の両成分の発展方程式を考えることで,コヒーレントゆらぎとインコヒーレントゆらぎの間の相互作用を担うものについての知見を得る.プルーム構造をコヒーレント成分と考えることで,対流乱流での輸送モデルを構成する.

研究解説
  • 林 超, 大岡 龍三, 菊本 英紀, 佐藤 大樹, 新井 舞子
    原稿種別: 研究解説
    2021 年 73 巻 1 号 p. 37-46
    発行日: 2021/01/01
    公開日: 2021/02/13
    ジャーナル フリー

    非常用発電機の増加に伴い,建物周辺で高温高浮力な排気ガスの拡散が懸念されている.本稿では,定常レイノルズ平均ナビアストークス(RANS)モデルとラージエディシミュレーション(LES)を用い,建物後流から放出された高浮力ガスの拡散を予測し,風洞実験の結果で検証した.RANSモデルは平均速度を予測できたが,乱流運動エネルギーを過小評価した.LESは平均速度と乱流運動エネルギーを予測できた.濃度場では,RANSモデルは排気口付近の高濃度域を予測できたが,地表面付近の値を過大評価した.LESは濃度の時間平均値と変動値を予測できた.

研究速報
  • 呉 元錫, 大岡 龍三, 李 時桓
    原稿種別: 研究速報
    2021 年 73 巻 1 号 p. 47-49
    発行日: 2021/01/01
    公開日: 2021/02/13
    ジャーナル フリー

    人の咳,くしゃみ,会話等の行為により空気中に噴出される飛沫や飛沫核には,ウイルスが含まれており呼吸器感染症の主な感染原因となる.空気感染の直接的な感染経路を明確にすることは難しいが,数値解析を用いると飛沫や飛沫核の飛散特性を解析することで空気感染の予測や感染リスクを把握することができる.本研究では,数値解析的手法に基づいて飛沫・飛沫核の飛散特性を解析し,室内における空気感染のリスクを低減させるための換気効果を検討した.

  • 董 書闖, 周 金鑫, 李 僑, 吉田 毅郎, 北澤 大輔
    原稿種別: 研究速報
    2021 年 73 巻 1 号 p. 51-56
    発行日: 2021/01/01
    公開日: 2021/02/13
    ジャーナル フリー

    本報では前報に引き続き,ギンザケ養殖が周辺の環境に及ぼす影響を調べるために,流れ場・生態系結合モデルに養殖施設の抵抗とギンザケ養殖負荷モデルを組み込んで養殖場周辺の海水流況の数値シミュレーションを実施するとともに,残餌と糞の拡散と沈降特性を調べた.その結果,養殖生簀は周辺海域の流れに影響を及ぼすことが確認された.生簀直下の残餌と糞の負荷が最も多かった.また,残餌と糞の周辺海域への拡散の範囲とこれらの濃度も把握できた.さらに,生簀直下での残餌と糞の堆積量と水深,流速との関係が得られた.今後は, 底質環境評価ために底生系モデルの再現性を向上する必要がある.

研究解説
  • 張 秉超, 大岡 龍三, 菊本 英紀
    原稿種別: 研究解説
    2021 年 73 巻 1 号 p. 57-63
    発行日: 2021/01/01
    公開日: 2021/02/13
    ジャーナル フリー

    本研究では,角柱建物モデルの後流にあるカルマン渦放出の動的システムの識別を行った.まず,瞬時風速データに対して固有直交分解を実行し,振幅2 乗コヒーレンスを用いてモード間の位相整合性を検出した.4 つの最もエネルギーの高いモードにおいて,モード2 は流入変動風によって制御され,モード1,3,4 は,建物の後流で放出される主な渦を示すことが分かった.次に,3 次多項式回帰モデルを用いて,モード1,3,4 の動的システムを同定し,状態の軌跡の平均的な傾向を示した.回帰モデルの2 つのリミットサイクルはカルマン渦の2 つの回転方向を示し,システムに摂動がない場合の最終状態を表した.さらに,回帰モデルから生成された軌跡から2 つの特徴的な周期が見出され,それぞれ短周期と長周期の変動を示した.

  • 周 琦, 大岡 龍三
    原稿種別: 研究解説
    2021 年 73 巻 1 号 p. 65-70
    発行日: 2021/01/01
    公開日: 2021/02/13
    ジャーナル フリー

    本研究では,深層学習ニューラルネットワークを実装し,二次元室内非等温気流の速度・温度分布の予測を実現した.異なるデータ前処理手法による予測結果を比較し,前処理手法がニューラルネットワークの予測性能に及ぼす影響を解明した.異なる前処理手法でニューラルネットワークの予測性能に大きな差異が見られなくて,平均誤差が5% 未満である.また,出力に前処理を行わない場合,速度誤差が温度誤差によって水没される現象を確認した.

研究速報
  • 賈 鴻源, 菊本 英紀
    原稿種別: 研究速報
    2021 年 73 巻 1 号 p. 71-76
    発行日: 2021/01/01
    公開日: 2021/02/13
    ジャーナル フリー

    本研究では,LES(large-eddy simulation)による随伴濃度解析とベイズ推定を組み合わせた空気汚染物質の発生源同定手法を提案した.市街地立方体群モデルを用いた風洞拡散実験の計測濃度に基づいて同手法の有用性を検討した.発生源のパラメータを確率的に推定するため,測定された濃度と随伴濃度との差をベイズ定理に従って定式化した.また,LES の平均流れ場によって随伴濃度の定常解析を用いた既存の手法の同定結果と比較した.結果としては,既存の手法と比較し,提案手法は随伴濃度の解析と発生源の推定の精度を大幅に改善した.

  • 細矢 太一, 亀谷 幸憲, 大澤 崇行, 塚原 隆裕, 長谷川 洋介
    原稿種別: 研究速報
    2021 年 73 巻 1 号 p. 77-81
    発行日: 2021/01/01
    公開日: 2021/02/13
    ジャーナル フリー

    本研究では,円柱を含むダクト内の空間発達流に対して4次元変分法を適用し,円柱下流の2次元面内における限られた計測データに基づき,円柱周りの非定常三次元流れの再現を試みた.初期場と流体内部に仮定した体積力を制御変数として,推定値と計測値の誤差を最小化するように,上記の制御変数の最適化を行った.推定された流れ場は,計測領域を含む2次元面内においては,計測領域の外側においても正解場を精度よく再現することを確認した.一方,今回の計測条件では,計測面外における三次元流れの推定には課題が残り,今後,より長時間の計測データを同化する必要性が示唆された.

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