生産研究
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特集 持続可能な都市システムの構築をめざして(ICUS)
特集に際して
研究速報
  • 原 菜摘, 郷右近 英臣, 目黒 公郎
    2018 年 70 巻 4 号 p. 223-227
    発行日: 2018/07/01
    公開日: 2018/08/01
    ジャーナル フリー

    ミャンマー最大の都市(人口約514 万人)で,同国の経済活動の中心でもあるヤンゴン市はサガイン断層の近傍に位置し,地震リスクの高い地域となっている.ヤンゴンの地震リスク評価として,C.K.Gadagamma(2018)1) が,既存鉄筋コンクリート(RC 造) 建物を対象とした地震被害関数を開発したが,実態に基づいた脆弱性を評価出来ているかという点に疑問があった.そこで本研究では,現地で施工状況のヒアリングや,新設のRC 造建物の鉄筋の強度試験を行い,これらの問題点を踏まえた解析から新しい被害関数の再構築を行うことにより,地震に対する構造物の脆弱性の実態を定量的に解明することを試みた.

  • 支倉 一磨, 郷右近 英臣, 目黒 公郎
    2018 年 70 巻 4 号 p. 229-233
    発行日: 2018/07/01
    公開日: 2018/08/01
    ジャーナル フリー

    2011 年3 月11 日に発生した東北地方太平洋沖地震津波では,北海道から千葉県にいたる太平洋沿岸部に津波が浸水し,その面積は約561㎢に及んだ.このような広域に及ぶ津波浸水域を発災後早期に把握するためには,リモートセンシング技術が有効である.これまでにもSAR 強度画像による浸水域の抽出技術が開発されてきたが,一度水没し,その後水が引いてしまった浸水域を抽出することが困難であった.それに対し本研究では,SAR 強度画像と光学画像を組み合わせることにより,この地域における浸水域を高精度に抽出する手法を開発する手法について検討を行った.

  • 田島 雅己, 本間 裕大
    2018 年 70 巻 4 号 p. 235-239
    発行日: 2018/07/01
    公開日: 2018/08/01
    ジャーナル フリー

    本研究では,災害に伴って同時多発する面的障害の発生を想定した,新たなる交通ネットワークの頑健性評価モデルを提案する.交通ネットワーク内の経路同士の空間的な関係性に着目することによって,その交通ネットワークの形状特性が頑健性に与える影響を定量的に分析する.具体的には,障害を確率事象として扱い,その障害発生パターンがネットワークにもたらす影響を評価することを試みる.ネットワークトポロジーの考慮に留まらず,障害が影響を及ぼす範囲とその構成要素の空間的配置をも考慮することによって,1 つの障害が複数リンクへ同時に影響を及ぼす可能性も考慮している点,に新規性を有する.

  • 土屋 翔斗, 本間 裕大
    2018 年 70 巻 4 号 p. 241-245
    発行日: 2018/07/01
    公開日: 2018/08/01
    ジャーナル フリー

    少子高齢化や人口減少に伴い,特に過疎地では限りあるリソースで地域課題を解決していく必要性が高まっている.そして,その課題の中には複数巡回セールスマン問題として扱えるものも多く存在している.複数巡回セールスマン問題の解法はいくつか存在しているが,現場の担当者が把握したいことは,1 つの最適解ではなく,作業全体を効率よく行うためにはだいたい何人必要で,各作業を誰に割り振ればよいか分かる大まかな見積もりではないだろうか.そこで,本研究では,別々の場所に位置する作業を複数人で分担して行うときに,何人の作業人がいればどの程度のサービス水準が満たされるか,その大局的見積もりに焦点を当てる.複数巡回セールスマン問題の近似アルゴリズムで求めた解と比較を行うことで,本研究で提案する手法の有用性を確認する.

  • デビ マリア ベルナデット カリナ, 加藤 孝明
    2018 年 70 巻 4 号 p. 247-250
    発行日: 2018/07/01
    公開日: 2018/08/01
    ジャーナル フリー

    本論文では,既存の災害復興理論および復興評価と,コミュニティレベルにおける実際の復興事例との比較について述べる.災害復興評価に関する既往研究は,住宅やインフラなどの定量的な指標に焦点を当てている.しかし,実際の復興事例を通じた観察と包括的な観点を含めた復興評価が必要である.コミュニティの見解と既往研究との違いに基づいて,理想的な復興評価は利害関係者を含めた復興の過程と物理・社会・環境などのすべての側面における復興結果に関して,より質的な視点を考慮すべきである.

調査報告
  • 金 池潤, 金 栽滸, 永島 佑樹, 加藤 孝明
    2018 年 70 巻 4 号 p. 251-256
    発行日: 2018/07/01
    公開日: 2018/08/01
    ジャーナル フリー

    2017 年11 月15 日発生した浦項地震(M5.4)は,韓国内で初めて地震避難所を運営した地震である.本研究では,韓国の防災対策の今後の方向性を示すために,浦項地震での避難所運営の実態に重点を置いて調査を実施した.

    調査の結果,避難所として教会などの民間施設に最大約40% の避難者を受容しており,建築士会等の民間市民団体が緊急安全点検を実施し,企業からの物資支援が行われるなど,浦項地震では官民協力による対応が多く見られた.2016 年の慶州地震と比較して政府の災害対応は改善されたが,地震避難所運営マニュアルが存在しない点などの課題も抱えている.

研究速報
  • 沼田 宗純, 井上 雅志, 目黒 公郎
    2018 年 70 巻 4 号 p. 257-265
    発行日: 2018/07/01
    公開日: 2018/08/01
    ジャーナル フリー

    2016 年4 月14 日21 時26 分に熊本県と大分県で発生した地震では,初動対応における物資輸送に関しプッシュ型の物資輸送が行われた.本研究では,プッシュ型物資輸送のオペレーションの課題を整理し,円滑なプッシュ型物資輸送を実現するための要件定義を行った.大規模災害時に単に物資を被災地に送れば良い訳ではなく,要件が成立して初めてプッシュ型の物資輸送も機能する.首都直下地震や南海トラフなどの大規模災害に対してもプッシュ型の支援は必要となるが,円滑に実施するためにも本論で定義した要件の確認は必須である.

  • 井上 雅志, 福岡 淳也, 大西 修平, 沼田 宗純, 目黒 公郎
    2018 年 70 巻 4 号 p. 267-272
    発行日: 2018/07/01
    公開日: 2018/08/01
    ジャーナル フリー

    過去の大規模災害における自治体間の応援・受援が必ずしも円滑に機能しない原因として,各自治体の地域防災計画の目次・構成が統一されておらず,相互に参照・比較するのが困難なことが挙げられる.本稿では熊本県内自治体の地域防災計画を対象とし,目次構成や目次内容に関する比較を行った結果,その構造や章節の数について大きなばらつきがあり,相互の比較・確認に適していないことを明らかにした.加えて,目次項目の比較結果から,本来掲載することが望ましいと考えられる項目について,市町村において掲載されていない現状を指摘した.

  • 沼田 宗純, 井上 雅志, 目黒 公郎
    2018 年 70 巻 4 号 p. 273-281
    発行日: 2018/07/01
    公開日: 2018/08/01
    ジャーナル フリー

    本論では,物資輸送を効率化するために配送物資のセット化とコンテナを使った輸送方法について考察した.その結果,避難者セット袋を事前に準備することで,仕分けは不要であり,重たい段ボール箱を運ぶことも不要であり,特別な技量や機材も不要となることを示した.また,物資の輸送については,民間物流と自衛隊の存在が不可欠な現状の方法では脆弱であることから,自主防災組織や消防団など公助の力を活用したコンテナ輸送について考察した.そして熊本地震における避難者数に対するコンテナ数を試算した結果,熊本県内に設置されたコンテナで物資を賄えたことを示した.

  • 井上 雅志, 福岡 淳也, 大西 修平, 沼田 宗純, 目黒 公郎
    2018 年 70 巻 4 号 p. 283-288
    発行日: 2018/07/01
    公開日: 2018/08/01
    ジャーナル フリー

    地域防災計画の多くは,記載事項が膨大なため,有事の際,職員が災害対応に必要な情報を即座に探し出すことが困難であり,過去の災害においても有効に活用されていないことが多い.本研究では,地域防災計画の記述を可視化すべく,「災害対応フロー図」を作成し災害対応業務を体系的に整理すると共に,熊本県の地域防災計画を標準化した.加えて,これを効率的に運用するために,業務実施上の参考情報をまとめた詳細シートデータベースを構築した.また,作成された災害対応業務フロー図について,部署間の連携関係をネットワークの形で可視化することで,業務における担当部署と,部署間の関係を一目で確認できることを示した.

  • 井上 雅志, 末冨 岩雄, 福岡 淳也, 大西 修平, 沼田 宗純, 目黒 公郎
    2018 年 70 巻 4 号 p. 289-297
    発行日: 2018/07/01
    公開日: 2018/08/01
    ジャーナル フリー

    大規模災害においては,先を見越した応援職員の要請,災害対応業務全体を見通した自治体職員の人員管理などが困難であることを原因として,非効率な人員配置や復旧・復興の遅れが発生している.その背景として,被害に伴って発生する災害対応業務の量的な評価に関する研究がほとんど行われていないことが挙げられる.そこで本研究では,熊本地震後の自治体による災害対応業務量をアンケート調査し,その結果から,被害量に応じて必要となる業務量を推計する予測式を構築した.調査回答については質,量ともに必ずしも十分な精度を有していないものの,おおよその業務量を予測する際に活用できるものと考えられる.

研究解説
  • Chaitanya Krishna GADAGAMMA, Shanthanu Menon RAJASEKHARAN, 新井 泰, 佐藤 翔 ...
    2018 年 70 巻 4 号 p. 299-308
    発行日: 2018/07/01
    公開日: 2018/08/01
    ジャーナル フリー

    Earthquake wave amplification at a particular site, due to local soil conditions, causes severe damage to infrastructures, including both ground structures and buildings. In conventional design practices wherein a generalised design response spectrum is used, it is difficult to efficiently capture the frequency characteristics of the local site condition and the characteristics of past earthquakes at that particular location. In order to achieve this goal real earthquake ground records are required. A vital component of this research was to develop a ground motion database through measurement sensors placed at different depths of ground at various locations in the Tokyo Metro region. The observations began in the year 1976 with periodic change of type of sensors in the process in the advent of expiry and improvement in the technology. The digital records of the data are available since1999 at three locations. The observed data is converted to its binary format with the appropriate calibration suitable for the sensors. Further, corrections and filters have been applied to rectify the data. In addition to this large database, a comprehensive list of metadata characterising the source of the earthquake from the Japan Meteorological Agency (JMA) is compiled.

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