2009 年 61 巻 1 号 p. 30-38
CFDにより, 室内の定常気流分布を計算し, その流れ場の濃度計算により, 各セルと吹出し口から観測点への濃度応答係数を計算する.セルと吹出し口を汚染質放出点と仮定して, 濃度応答係数法に基づき観測点の濃度の畳込み計算式を立てる.この濃度の計算式に重み付残差法を適用して, 観測濃度と計算濃度の残差を最小にする汚染質放出量に関する連立方程式を定式化する.この連立方程式を用いた同定計算は畳込み計算による濃度解析に対する逆解析である.ここに計算法を示し, 発生源の同定計算例を報告する.