2009 年 61 巻 6 号 p. 971-976
近年, 自動車に対する安全性への要求がますます高くなっている.警視庁の報告によれば, 運転者の安全不注意や運転操作ミス等が事故発生の主原因となっている.つまり, 今後の自動車安全向上技術は運転者のミスを的確に検出し, 能動的な制御を適用していく必要がある.アクティブ前輪操舵(AFS)は旋回中におけるスリップ現象等による危険な車両挙動を検出し, 能動的に車両運動を安定化させる技術であるが, AFSによる自動操舵と運転操作が相互干渉するため, 広く実用化されていない.
本論文は運転者の感度特性に基づく操舵反力制御手法を提案し, 操舵干渉の低減化及び, 運転者と自動操舵の親和性についてステアリング実験装置を用いて検証したので報告する.