抄録
本研究は,プローブやセンサー等で得られた時空間に関する部分的な交通状態観測データを基に,交通流シミュレーションモデルによる補完で,対象地域全体の交通状態を逐次再現する「ナウキャストシミュレーションシステム」の構築を目的としている.このシステムを活用することにより,地域全体の交通流動性や特異性の評価,CO2排出量のモニタリングなど,様々な情報サービスへの展開が期待できる.本稿では,まずシステム概要と理論を示し,柏市で実施されている実証実験の概要を紹介しながら,一般街路に適用するためのシステム構成について説明する.