2016 年 68 巻 4 号 p. 311-314
近年,次世代資源としてメタンハイドレート(以下MH)が注目されている.燃える氷とも言われるこの資源は日本周辺でも南海トラフなどにて,海底地盤の砂の間隙内を充てんする形で,水深およそ1000m 程度,圧力レベル10MPa 程の高圧環境下に貯留されていることが確認されている.このMH の商業生産に向けて解決すべき課題の一つに,MH 層からガス坑井内への出砂現象が挙げられる.本研究では実際の産出試験で出砂対策として用いられたグラベルパック法について,一次元カラム透水試験を通じてその安定性を評価することを目的とした.グラベルパック模擬層とメタンハイドレート模擬層の二層供試体の透水試験を実施し,グラベルパック模擬層への細砂の侵入,移動を観察した.