2018 年 70 巻 2 号 p. 107-111
信号交差点での歩行者と車両の衝突は深刻な事故に繋がる可能性があり,歩行者の安全性を考慮した多くの信号現示方式が存在する.中でも歩行者先行現示は,歩行者用信号をそれと並行する車両用信号よりも先にすることで衝突を抑制する現示方式である.本論文では,効率と安全性の両方を考慮した最適化問題を解くことにより,一般的に使用されている歩車非分離現示(CPP) に対して,歩行者先行現示(LPI) の相対的適用性評価する.効率性と安全性の指標を貨幣価値に換算し,与えられた入力の下で最適な信号パラメータと適切現示方式を同時に選択する.最適化問題は非線形目的関数と非線形制約から構成され,そのため遺伝的アルゴリズムを使用し,妥当な計算時間で最適化問題を解決することを可能とした.