2018 年 70 巻 2 号 p. 119-123
本研究は,総旅行時間と車両走行の活荷重による構造物劣化の双方を考慮した動的システム最適配分問題を分析する.具体的には,(1) 維持修繕の限界費用を用いてネットワーク全体の構造物劣化の程度を評価する,(2) 構造物劣化に支配的な影響をおよぼす大型車の交通量のみを構造物劣化の評価に用いる,ことにより,総旅行時間と維持修繕費用の増分を目的関数とする多目的最適化問題を定式化する.そして,総旅行時間のみを考慮した従来の動的システム最適配分問題との比較により,構造物劣化の考慮が最適状態に与える影響を分析する.