2019 年 71 巻 2 号 p. 173-176
セメントペースト供試体の圧縮強度と,供試体から採取したドリル掘削粉の空隙量との関係を検討した.空隙量については,掘削粉の粒度分布測定の結果に基づき,空隙径分布から粉体同士の隙間を含む空隙範囲を除外した10 nm から300 nm の空隙量を水銀圧入法により求めた.その結果,掘削粉を対象に測定した10 nm から300 nm の空隙量とセメントペースト供試体の圧縮強度は,水セメント比や養生方法によらず高い相関を有しており,ドリル掘削粉においても,セメントペースト供試体の強度に対して支配的な空隙の情報が残存していることを確認した.