2019 年 71 巻 6 号 p. 1071-1074
2016 年の熊本地震では,熊本県益城町を筆頭に家屋の倒壊や土砂災害などの大きな被害が発生した.また広範囲で地盤沈下が確認され,木山川氾濫原では地盤が30cm~50cm 沈下し,農業施設などに被害が出た.木山川氾濫原は阿蘇カルデラの西部に位置し,地下には過去の大噴火に伴う火山性堆積土が厚く堆積している.その中にはポーラスで脆い軽石が多く含まれており,本研究では,この地域での地盤沈下が火山性堆積土に含まれる軽石の破砕によるものである可能性を現場調査,室内試験および地震応答解析から検証した.