生産研究
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研究速報
ナノ粒子の透過によるコンクリートの閾細孔径評価のための基礎的検討
田中 俊成青木 彰吾酒井 雄也勝木 太
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2019 年 71 巻 6 号 p. 1083-1087

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抄録

ナノ粒子分散液をコンクリートに押し込み,透過後の液体の最大粒径からコンクリートの最大貫通孔径(閾細孔径)を評価する方法を検討した.本研究では基礎的検討として,数種類のコンクリート供試体を対象として,提案手法の妥当性を検討した.初期の透過液には閾細孔径を大きく上回る粗大粒子が含まれていた.これは,分散液を押し込む前にコンクリートを水で飽和させており,水中に浮遊していた析出物が流れ出たためと考えられる.一方,供試体中の水が全て押し出され,ナノ粒子分散液が透過した以降の透過液中の最大粒径は,水銀圧入法で測定した閾細孔径と良好に一致した.

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© 2019 東京大学生産技術研究所
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