2020 年 72 巻 2 号 p. 147-152
インフラの維持管理コストの増大が問題になるなかで,交通信号機の設置や維持管理コストの低減も求められてきている.本稿では,この問題を解消するひとつである「自律分散型の信号システム」を想定し,最新のセンシング技術や通信技術を前提に,考えられる信号制御ロジックを検討する.提案ロジックは,安全性,円滑性,平等性の 3 つの観点から最もよい信号パターンを選択,中央制御システムによらず自律的に信号を制御する.また,交差点の形状や矢印灯器の有無といった,様々な場合に対応できる拡張性をもつ.これらの特徴により,コストを削減しながら十分な性能を持つ信号システムを実現する.