2021 年 73 巻 2 号 p. 125-130
わが国においては,都市機能や生活機能が集積する拠点間を交通ネットワークで繋ぐ「コンパクト+ネットワーク」な国土構造の実現が重要とされており,道路ネットワークの評価においても,今後は,拠点配置との関係の考慮が求められる.しかしながら,都市拠点がカバーする圏域の大きさや形状は,地勢や人口分布状況などによって大きく異なる.本稿では,GIS を用いて公共施設等の位置情報から都市拠点を抽出し,風配図を用いて各都市拠点がカバーすべき集落・住区の方位や距離の分布を可視化することで,このような地域による差異を把握するとともに,道路ネットワークを評価に必要な視点を考察する.