2021 年 73 巻 5 号 p. 385-388
炭素繊維強化プラスチック(CFRP)製のパーソナルモビリティ構造に,外見からはほとんど分からない衝撃損傷(BVIDs)が発生すると,安全に使用する上で問題が生じる.そこで,本研究では,CFRP 製モビリティ構造のBVIDs を検出する方法を確立するために,広帯域にわたる超音波ガイド波の送受信に基づき,衝撃損傷の検出を試みた.その結果,損傷サイズに比例して,基本反対称(A0)モードの伝播時間が遅れることが分かった.また,超音波伝播方向における損傷の長さに依存して,A0 モードの振幅が減衰することも分かった.