生産研究
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研究解説
2DFT を組み込んだSPOD を用いた2 次元都市キャニオンの乱流による汚染物質除去の分析
張 秉超大岡 龍三菊本 英紀
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2022 年 74 巻 1 号 p. 59-64

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抄録

本研究では,2 次元の都市キャニオン流における乱流構造を分析するために,2 次元フーリエ変換(2DFT)と固有直交分解(POD)を組み合わせた手法を提案して適用した.この手法では,2DFT で均一なスパン方向と時間の乱流を分解し,POD で不均一な流れ方向と垂直方向の乱流を分解した.大きいスケールと小さいスケールの乱流構造がキャニオン周辺の流れ場に及ぼす影響の形は異なるため,POD モードによってそれらが可視化された.ただし,乱流には自己相似性があるため,スケールの大きさに関わらず,主な乱流構造の時間スケールはスパン方向の長さスケールと比例していることを発見した.さらに,本研究で定義したSPOD cospectrum を用いて乱流構造と屋根レベルの汚染物質の除去の役割を定量的に解明した.屋根レベルのKelvinHelmholtz 不安定性は汚染物質の除去に最も貢献していることがわかった.

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© 2022 東京大学生産技術研究所
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