日本生態学会誌
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特集 中部山岳地域の高山植生と地球温暖化
白馬山系蛇紋岩地の土壌特性と高山植物群落 (<特集>中部山岳地域の高山植生と地球温暖化)
波多野 肇増沢 武弘
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2008 年 58 巻 3 号 p. 199-204

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抄録

蛇紋岩の分布する地域には、蛇紋岩植物と呼ばれる特異な植物からなる群落が成立する。本研究は北アルプス、白馬岳の高山帯の蛇紋岩地において、蛇紋岩地の特異な植生の成立要因を明らかにすることを目的とし、植物の分布調査及び土壌環境調査を行った.分布調査の結果、白馬岳の蛇紋岩地においても一般的に知られているミヤマムラサキやウメハタザオといった蛇紋岩地特有の種の生育が確認された。土壌環境調査の結果、蛇紋岩地の土壌は高いニッケルイオン、マグネシウムイオン含有率を有することが明らかになった。本調査より、蛇紋岩土壌の高いニッケルイオン、マグネシウムイオン含有率が、白馬岳の蛇紋岩地の特異な植生の成立要因となっている可能性が示された。

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© 2008 一般社団法人 日本生態学会
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