抄録
ゼオライトはこれまで、石油精製および石油化学の根幹を担ってきた重要な酸触媒成分である。今後の未利用資源開拓あるいは新規反応によるケミカルズ合成といった観点から、これまでとは違うタイプの触媒が必要と考え、塩基触媒作用に着目した。これまでにも塩基触媒は報告されているものの、酸触媒ほどその素性が知られていない。まずはベーシックな検討から始めるために、塩基性分を担持あるいはイオン交換したゼオライト、骨格酸素を窒素に置換したゼオライトを合成し、Knoevenagel縮合反応に供し、塩基触媒作用の差異を検討した。窒素を含有することで、塩基酸化物担持触媒と比してマイルドな塩基性が発現し、高選択的に縮合生成物が得られることがわかった。