抄録
石油精製・石油化学において、炭素数8の芳香族化合物の混合物には、エチルベンゼン、オルトキシレン、メタキシレンおよびパラキシレンの4成分が含まれている。これら4成分は、同じ炭素数の芳香族化合物であり、沸点等の物性が近似しており、蒸留や吸着でのパラキシレンの分離は、エネルギー消費が大きく、設備費も高い課題がある。本研究では、上記4成分の分子サイズのわずかな違いを認識して分離を可能とする金属有機構造体(MOF)を用いる、コスト競争力の高い新しい分離方法を検討した。その結果、適切なミクロ細孔径のMOFを用いることで、サイズ選択的にキシレン類を分離できることが示唆された。