日本臨床外科学会雑誌
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症例
難治性気漏と感染の合併に対し肺葉切除を選択した外傷性肺嚢胞の1例
中川 みく根津 賢司兼定 弦西 悠介石田 直樹梶原 伸介
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2018 年 79 巻 8 号 p. 1644-1648

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抄録
症例は精神疾患のある16歳,女性.受傷機転は不明であったが,約10mの崖からの転落外傷として当院へ搬送された.CT検査にて硬膜下血腫,左眼窩底骨折,右下顎骨折,両肺挫傷,肋骨骨折を伴わない右気胸および両肺下葉に多発する外傷性肺嚢胞を認め,右胸腔ドレナージを施行するも,気漏と血痰の遷延を認めた.受傷25日目の3D-CTにて右肺下葉の2つの嚢胞が吸収されず残存し,それぞれ気漏と血痰の原因と判断した.また,炎症所見の増悪から感染合併も考慮し,外科的治療の方針とした.肺嚢胞の局在と大きさから部分切除は困難と判断し,右肺下葉切除を施行し,術後経過は良好であった.外傷性肺嚢胞は鈍的胸部外傷に伴う病態である.基本的に保存的加療が選択されるが,感染合併例,気道出血の制御困難例,嚢胞が縮小しない例,気漏遷延例では外科的治療の適応となる.本疾患の治療法の選択は病態に応じて的確に行うべきである.
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© 2018 日本臨床外科学会
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