石油学会 年会・秋季大会講演要旨集
第64回年会(第70The Japan Petroleum Institute回研究発表会)
セッションID: B09
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[受賞講演-論文賞]
溶融塩中でCaH2還元剤を用いた金属間化合物ナノ粉末の低温合成
*小林 靖和宗宮 穣多田 昌平菊地 隆司
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抄録

水素化反応は、石油化学産業で中間化合物を生成するために使用される重要なプロセスの1つであり、長い間Pd系触媒が使用されてきた。近年、構成金属の低コスト化などの観点から、魅力的な代替品としてNiZn金属間化合物触媒が注目されている。結晶性の良いNiZn金属間化合物の取得には、前駆体であるZnOが難還元性のため、高温(500~750℃)での処理が必要となるが、この処理においてもNiZn金属間化合物の単一相を得るのは困難であり、NiZnとNiが共存する報告例が多いのが現状である。発表者らは、LiCl-KCl混合溶融塩中でCaH2還元剤を用いることで、ZnOを含む酸化物前駆体から360℃という低温での単一相のNiZn金属間化合物の合成に成功している。特に、溶融塩中で合成することで、難還元性酸化物の還元を阻害する酸素・水分がない最適な合成条件を見い出した。

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