2021 年 20 巻 1 号 p. 29-35
目的:肩関節周囲炎患者の痛みに焦点を絞り,Shoulder36の各質問項目との関連性を検討し,疼痛症状が及ぼす日常生活状況への影響を調査し,治療プログラム立案の一助とすることとした.方法:当院にて肩関節周囲炎と診断され理学療法の適応となった片側罹患例52例52肩に対し,NRSによる安静時痛,夜間時痛,動作時痛の各疼痛症状とShoulder36の各ドメインと各質問項目を聴取し,その関連性について,統計学的解析を用いて検討した.結果:安静時痛は可動域に関連した項目,夜間時痛は可動域に加え,睡眠や疲労感といった健康項目,動作時痛は筋力やスポーツの項目と相関関係を認めた.結論:肩関節周囲炎患者では疼痛症状によって影響を受ける日常生活状況は異なり,各疼痛症状を把握して包括的に治療に臨むことが重要だと考える.