2021 年 20 巻 1 号 p. 37-44
目的:本研究の目的は,心不全(HF)患者における動脈弾性と最高酸素摂取量(VO2 Peak)の関連性およびVO2 Peakの規定因子を探索することであった.方法:退院時のHF患者57名を対象に心肺運動負荷試験(CPX),動脈弾性の指標であるCAVI(Cardio-AnklVO2 PeakVO2 Peakとの関連性およびVO2 Peakに寄与する因子について検討した.結果:HF患者のCAVIとVO2 Peakとの関連性が認められ,更にCAVIはVO2 Peakに寄与する因子であった.結論:HF患者では,全身の運動限界が動脈弾性によって規定される新たな知見が得られた.このことは,心臓-骨格筋連関における動脈弾性の役割が示唆された.