2010 年 51 巻 6 号 p. 501-514
本研究は,スポーツを観る側の視点から,バレーボールユニフォームの色に対して,どのような印象を受けるのかについて知ることを目的とした.はじめに,観る側のユニフォームの注目度とその印象を形容詞で回答するアンケート調査を行った.そして,静止画像を用いて1つのユニフォームを見た場合と2つのユニフォームを同時に見た場合の色の印象をSD法によって評価した.その結果,黒は‘地味’,‘くすんだ’,‘重い’,‘暗い’,‘かっこいい’,赤は‘あつい’といった印象を与え,因子分析によって,「価値」と「色彩」の因子が抽出された.また,2つのユニフォームを同時に見た場合の印象は,1つのユニフォームを見た場合の印象から予測できることがわかった.さらに,実験結果の一部を4つの色彩感情モデルから予測した結果と比較することで,本研究の結果がいくつかの色彩感情モデルによって予測される色の印象に適応していることが認められた.