繊維製品消費科学
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中学生・高校生・大学生の着装規範意識と着装に関する教育経験
内藤 章江
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ジャーナル オープンアクセス

2014 年 55 巻 12 号 p. 920-932

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抄録

本研究は,「着こなし方」や「着装衣服と着装場面のふさわしさ」などの「着装スキル」を学校教育の中で磨き学ぶことのできる「服育ツール」の開発を目指し,中学生,高校生,大学生の着装規範意識と着装に関わる教育経験について調査を行った.その結果,着装規範は「自己アピールと流行」,「機能性」,「社会性」の3因子で構築されており,属性によって「学校」に対する意識に違いがみられた.着装に関わる啓発・学習経験は,全体の約半数の人が「経験あり」と回答し,その多くが「両親」から学んだと回答した.「服の着こなし方」については,雑誌モデルや友達の着こなしを参考にするとの回答が多かった.着装規範意識の構築要因は属性によって異なり,場面イメージの影響が特に大きく,被服関心度や着装に関わる教育経験の影響も認められた.属性により「学校」の捉え方は相違し,着装に関わる教育は家庭中心で行われているものの十分とはいえないことが明らかとなった.

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© 2014 一般社団法人 日本繊維製品消費科学会
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