2014 年 55 巻 2 号 p. 140-147
本研究の目的は,人々が様々な社会的場面でおこなう化粧が,どのような点を重視して決められているのかという化粧規範意識について,その構造をあきらかにすることである.調査対象者は,学生男子190人(平均年齢=20.08 歳,SD=1.69),学生女子342人(平均年齢=19.33 歳,SD=1.27),親世代男子47人(平均年齢=49.30 歳,SD=4.99),親世代女子158人(平均年齢=47.44 歳,SD=4.33)である.10項目の社会的場面と12項目の化粧基準を選定し,それらを組み合わせた120項目の化粧行動に対して,その必要度から化粧規範意識を調査した.因子分析の結果,化粧規範意識は5つの因子から構成されることがあきらかとなった.また構造化された化粧規範意識にもとづき調査対象者を類型化した結果,3つのクラスターの存在もあきらかとなった.