2020 年 61 巻 4 号 p. 299-
本研究の目的は,SNS やスマホ決済といった時代に則した要因および消費価値観に焦点を当て,ファストファッションの消費行動を規定する要因について検討を行うことである.二項ロジスティック回帰分析の結果から,SNS ではInstagram が,スマホ決済ではLINE Pay,Amazon Pay,楽天Payが,消費価値観では有名人や周囲の人の評価・評判,流行に関する項目がファストファッションの購入と関連していることが明らかになった.決定木分析の結果から,Instagram の利用が購入に対して最も重要な要因になっていることが示された.また,InstagramおよびAmazon Pay を利用し,さらにPay Pay を利用している場合においては,ファストファッションの購入が89.3%と高い値になることが示された.本研究の結果から,Instagram やスマホ決済,有名人や周囲の人の評価に関する価値観はファストファッションの消費行動の規定要因であることが示唆された.