繊維製品消費科学
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圧衝撃緩和性からみたゴールボール用プロテクター素材の検討
坂下 理穂加藤 礼菜諸岡 晴美渡邊 敬子芝﨑 学
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2020 年 61 巻 4 号 p. 308-

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抄録

本研究では,ゴールボール用プロテクター付きパンツの設計指針を導出することを目的として,圧衝撃緩和性に優れるゴールボール用プロテクター素材について検討した.素材の異なるプロテクターとして10mm 厚の試料を収集し,その圧縮特性および圧衝撃緩和性を測定した.また,ゴールボール競技者を被験者として着用実験を行い,床面に着地した際の腰部での接触圧から圧衝撃緩和性に優れるプロテクター素材を明らかにした. ウレタンスポンジおよびエラストマーからなる網状構造体の圧縮変形量および圧縮エネルギーが大きかった.また,圧縮変形量の大きい素材ほど圧衝撃緩和性が大きい傾向がみられた.しかし,ゴールボール競技者への事前の調査から,収集された試料単独では十分な着用感が得られなかった.そこで,積層試料を用いて着用実験を行った結果,10mm 厚の網状構造体の試料の両サイドをウレタンスポンジで挟んだプロテクターが最も圧衝撃緩和性が高く,競技試技における接触圧も低くなることが明らかとなった.

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© 2020 一般社団法人 日本繊維製品消費科学会
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