2022 年 63 巻 5 号 p. 304-312
本研究では,ファッション製品の中でも,ウォーキングシューズを材料として,そのデザイン性が感情的製品態度に及ぼす影響について,物語広告がどのように調整するかを検討した. 物語広告と非物語広告とを比較した実験の結果,非物語広告では,デザイン性の程度は感情的製品態度に正の影響を及ぼすが,物語広告では,その影響がなくなることが示された. また,物語広告では,デザイン性が低い場合にも,非物語広告のデザイン性が高い場合と同等の感情的製品態度であることが示された. これらの結果から,物語広告は,デザイン性による差別化が困難である場合に,効果的なマーケティング・コミュニケーション施策である可能性が示唆された.