繊維製品消費科学
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合成繊維の高周波融着に関する研究
(第1報) 融着部分の構造変化と2~3の物理的性質の改善について
万代 昭次明石 淳子
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1970 年 11 巻 10 号 p. 494-498

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抄録

高周波融着の縫製加工への応用をはかるため, 融着に不都合な因子を抽出し, 融着部分の融着強さと柔軟性の改善のための実験を行なった.
融着強さ改善のために, 塩化ビニル繊維 (融着繊維) にレーヨン (非溶融繊維) を混用する場合には, レーヨン混用率40%が最も良い値を示した.
柔軟性改善のために, 可塑剤としてフタール酸ジエステルを添加して融着した場合は, フタール酸ジエステルのアルキル基の炭素数が小さい程融着部分に入り易く, 特に, 炭素数2の場合に最も高い含有量を示した.
融着部分の微視的な構造変化をX線回折写真によって観察すると, 融着部分における分子鎖の配向性が低下し, かつ非晶化が起る.

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© 社団法人 日本繊維製品消費科学会
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