抄録
消防法の一部を改正する法律が施行され, 繊維製品の防炎性について市民の関心が高まるようになった.綿, レーヨンなどの防炎加工に関する論文は多いが, 合成繊維織物の防炎性に関する論文は少ない.これは合繊は火炎を近ずければ, 収縮溶融して, その判定が困難なためではないかと考えられる.
防炎に関しては, 煙, ガスなど種々の問題があるが, 本稿では主として合繊織物, 毛, 綿, レーヨンにつき, SRRL法およびそれにガラス織物を利用して, 溶融物の落下を防止する法, また英国で考案された半円形の燃燃試験装置と同様のものを試作して, 着火時間, 燃焼速度, 燃焼時の特性, 残炎などの測定を行なった.
ナイロン, ポリエステルは著火しにくく, 炎上しにくいが, 支持体を用いれば徐々に燃焼する.