繊維製品消費科学
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マイクロ波加熱を用いた直接染料によるキュプラ織物の染色
―蒸気併用の有無と各種染色堅ろう度との関係―
加古 武片山 明
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1983 年 24 巻 4 号 p. 144-149

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抄録

マイクロ波加熱によりキュプラ織物を直接染料で染色した.織物は次の二つの方法で染色した: A) 織物を染料水溶液中に10℃, 1min間または70℃, 10sec間浸漬し, 軽く絞った (170%絞り) のち, 織物をマイクロ波で1min間加熱した.必要があれば, この操作を2~5回繰り返した.B) 織物を10℃で, 色糊でプリントし, 乾燥することなくマイクロ波と蒸気を併用して加熱した.
A) 法で染色した染色物の堅ろう度, 洗たく, 摩擦, 耐光堅ろう度は十分でなかった.一方, B) 法で染色した染色物の堅ろう度は十分であり, 標準染色物のそれに近いものであった.染色堅ろう度の結果を, 加熱過程中の織物中からの水分の蒸発速度および染料の繊維中への拡散速度で説明した.

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© 社団法人 日本繊維製品消費科学会
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