繊維製品消費科学
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ファウンデーションの着用に関する現状調査について
間壁 治子赤塚 博江
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1985 年 26 巻 11 号 p. 464-471

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抄録

消費者のファウンデーションの着用目的や着用状況の実態などを調査するために, ファウンデーションを着用していると認められる高校生, 大学生, 主婦 (高校生, 大学生の母親) を対象に, 自記式の無記名アンケート調査を行った.その結果を要約すると次のようである.
1) ブラジャー, ガードル, ボディスーツの中では, ブラジャーの所持率, 平均所持数が最も多く, 1日の着用時間も長い.
2) 着用目的は, ブラジャーガードルとも整容効果のためが主である.しかし, ブラジャーは習慣で着用する人も多く, 今日の衣生活の中での定着を示している.
3) 購入時には, ブラジャー, ガードルともサイズに最も注意を払い, 適応範囲の表示のものを購入しているにもかかわらず, 実際には適合せず, サイズ設定の悪さが指摘されている.
4) 主な購入先はデパートが多く, バーゲンの利用率も高い.
5) ファウンデーションの新表示についてはまだ認識不足であり, サイズの選択や着用感に影響が及んでいると思われる.
6) 主婦のファウンデーション着用開始年令は, 高校生, 大学生に比べて遅い傾向を示した.
1960年頃の下着ブーム以降, 洋装の定着とも相まって, ファウンデーションの普及は著しい傾向がみられる.素材, 形状, 種類等多種多様化され, 多くのものが市場に出まわっている.消費者はそれぞれの目的に合わせて着用し, 一見満たされているかのようである.しかし, 実際には規定されたサイズ範囲内でも不適合を生じるなど, サイズ設定に関するような基本的な問題がみられた.

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© 社団法人 日本繊維製品消費科学会
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