1991 年 32 巻 2 号 p. 79-84
起泡性, 泡沫の排液速度並びに泡沫安定性を大きく左右するバルク洗液の粘性が泡沫洗浄の洗浄性に及ぼす影響について検討した.洗浄性の指標としては粘度が運び出し作用に及ぼす影響を示す△Dを浸せき処理と泡沫洗浄の組み合せから求めて用いた.
増粘剤CMC F110とPVA217ともに添加濃度を増すとバルク洗液の粘度が高まり, 泡化液量も増すが, CMCF110では0.2%, PVA217では3.5%以上に添加するとかえって気/液分散系形成能が低下するため, 泡化液量が減少する.
pH, CMCの種類, CMCとPVAの差などについて検討した結果, いずれもバルク洗液の粘度を増すと△Dが増もす.バルク洗液の粘性を増すと汚れの運び出し作用の指標となる泡沫内部圧を高めるため, 粘度増加は汚れの除去過程の中で特に汚れの運び出し過程に影響を及ぼすことが明らかになった.