繊維製品消費科学
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履物設計の為の足型研究
―因子分析による成人女性の足先部形態の把握―
山本 昭子
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1992 年 33 巻 6 号 p. 319-327

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抄録

18~90歳の女子407名を資料として, 因子分析法により足先形態の主要な因子を解明し, 趾型の分類と各型の確率密度を検討したが次の様な結果を得た.
1) 趾型を示す因子は, 第1・第3・第5・第6の4因子である.第1因子は足幅に対する各趾の長さを示し, 第3・第5・第6の各因子は, それぞれ, 第2趾に対しての, 第3趾・第4趾, 第5趾および第1趾の長さを示す形態因子である.
2) 第2・第4の各因子は, それぞれ, 半足幅内と半足幅外の比および第1趾内角, 半足幅内と半足幅外の比および第5趾内角を示す形態因子である.
3) 第1・第3・第5・第6の, 趾型に関する4因子をクロスさせた趾型の分類では, すべての因子のスコアが中位となるタイプの確率密度が最も高く, 21.7%である.
4) 若年層と高年層の趾型の分布を比較すると, 第2趾から第5趾にかけての傾斜が急なタイプの確率密度は若年層により高く, 趾が太短で, 趾の傾斜がゆるやかなタイプの確率密度は高年層により高い.

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© 社団法人 日本繊維製品消費科学会
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