抄録
湿度刺激とべたつき感や濡れ感などの湿潤感覚との関係を調べた.その結果, 温度感覚や圧迫感覚と同様に, 湿潤感覚も刺激に対して一定の変化をすることが明らかになった.湿潤感覚の変化は, Weber-Fechnerの法則よりもStevensのべき法則で評価した場合に, 直線性が高いことがわかった.更にこのStevensのべき法則から得られた湿潤感覚の指数と環境の水蒸気圧との間に一定の関係がみられた.湿潤感覚は, 環境湿度に伴って変化するが, 環境の相対湿度よりも環境の水蒸気圧によって制御されることが示唆された.