繊維製品消費科学
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放射線照射によるシリコーン処理織物の物性
― (第1報) 綿布について―
西出 伸子清水 治通
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1967 年 8 巻 6 号 p. 325-330

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抄録

シリコーンを5%附着させた綿布にたいし, 空気中, 室温で60Co-γ線を用い, 約4.7Mradまでの範囲にわたって照射をおこない, 照射後80℃で20時間加熱をおこなった場合の, 諸特性の検討をおこなった.
木実験の条件下では, 照射線量の増加にともないグラフト率は増大し約4Mradの照射で約1%/のグラフト綿布をうる事ができる.又糸数密度, 重量, 織り方および化学処理等に関係なく, 照射線量とグラフト率の関係は同一の傾向を示した.
4Mrad照射したシリコーン処理綿布は, 5回以上の工場規模のドライクリーニングに防水耐久性を示し, 摩擦試験後の防水耐久性は, 10サイクル以上を示した.引張り強さの減少および着色という点で, 検討すべき余地が若干残されているが, 実用的には満足すべき結果がえられた.

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© 社団法人 日本繊維製品消費科学会
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