雪氷
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妙高山域の幕ノ沢で2008年2月に発生した大規模な乾雪表層雪崩
竹内 由香里平島 寛行和泉 薫上石 勲河島 克久山口 悟宮崎 伸夫西村 浩一Evgeniy PODOLSKIY鈴木 貴村上 茂樹遠藤 八十一
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2009 年 71 巻 3 号 p. 167-176

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抄録
妙高山域の幕ノ沢で2008年2月17日13時48分に大規模な面発生乾雪表層雪崩が発生した.発生区は標高約1700m付近の東~南東向き斜面とみられ,雪崩の最長到達点は標高約770m,発生区からの流下距離は水平距離で約3000mであった.堆積区の面積は約10ha, デブリの相当水量は400~1500mm( 平均1000mm )であり,これらに基づいて推定すると雪崩の堆積量は5~10×10^4t となった.幕ノ沢では2月11日に晴れて気温が上昇,翌12日は朝から雪が降り始めた.その後,夕刻から13日朝にかけて気温が急低下し,同じ頃から強まった降雪により積雪深が急増した.標高810mの気象観測点では雪崩発生時の気温は-6.7℃,12日の降り始めから雪崩発生までの降水量は174 mm, 積雪深は225cm から381cm まで増加した.積雪変質モデルで計算した結果,12日まで表面にあった積雪層付近に13日頃こしもざらめ雪が形成され,その上に大量の降雪が積もって雪崩発生時の積雪安定度は0.5と非常に不安定になっていたと推定された.
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© 2009 公益社団法人 日本雪氷学会
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