雪氷
Online ISSN : 1883-6267
Print ISSN : 0373-1006
北極海における氷況把握のための画像解析法の開発 ─自動化した表面状態判別とその測定結果─
田中 康弘舘山 一孝高橋 修平亀田 貴雄榎本 浩之
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2015 年 77 巻 2 号 p. 173-190

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抄録
メルトポンドは氷や雪より低いアルベドを持ち,日射吸収量が増加するとアイスアルベドフィードバックが進行する.本研究では北極航海観測で得られた船前方の氷況を撮影したカメラ画像から開放水面,メルトポンド,海氷を検出する画像解析法を開発した.この手法ではまず,画像の明度ヒストグラムを平滑化するためフーリエ領域におけるフィルタリングを行い,表面状態を3つに分類した.目視による表面状態の判別を真値としてこの結果と検討すると,高い正答率が得られたのはブラックマン窓を用いて遮断周波数を0.05ならびにフィルタ長を51とした低域通過フィルタであった.この正答率は開放水面と海氷の一方が存在する1ピークで89.5%,開放水面と海氷またはメルトポンドと海氷の2種類が混在する2ピークで80.5%,開放水面,メルトポンドと海氷の3種類が混在する3ピークで64.0%であった.さらに,1ピークでは明度の閾値,2ピークでは赤および緑成分のヒストグラムの関係から表面状態をそれぞれ2つに判別し,メルトポンドが存在する2ピークの正答率は88.2%であった.以上の手法から航跡上の表面状態を自動的に把握することが可能になった.
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© 2015 公益社団法人 日本雪氷学会
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