雪氷
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総説
クラスレートハイドレートのガス包蔵選択性とそのガス分離への応用
木田 真人
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2026 年 88 巻 4 号 p. 309-324

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抄録

クラスレートハイドレートは,特定のガス分子を選択的に包接する結晶であり,ガス分離への応用が検討されている.本総説では,主にメタン(CH4),二酸化炭素(CO2),窒素(N2),水素(H2)の混合ガス系を中心に,ガス分離の原理に関わる熱力学的安定性とガス包蔵選択性を包括的に解説する.これらのガスが単一で包接されたクラスレートハイドレートの熱力学的安定性は,ガス,水,氷およびハイドレート相が共存する四重点の圧力が低い順にCO2>CH4>N2>H2の順に高くなる.この安定性の差が混合ガス系における成分分離の駆動力になる.添加剤の利用は,クラスレートハイドレートの生成条件を緩和させるだけでなく,相平衡曲線の勾配を変化させ,クラスレートハイドレートの生成(ガスの分離)や分解(ガスの回収)を行う際の温度・圧力条件に影響する.特に,CH4+CO2系では,添加剤の有無や,同じ添加剤を用いた場合でも,ガスを包接させる温度帯によってCH4とCO2の包蔵選択性が逆転する.クラスレートハイドレートによるガス分離は,温度や圧力の操作のみで分離したガスを回収でき,新たなガス分離方法の一つとして発展が期待される.

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