雪氷
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ブナに着生するコケによる積雪深の推定
石川 政幸高橋 喜平
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1972 年 34 巻 3 号 p. 119-123

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抄録

ブナの樹幹に着生しているチャボスズゴヶのような大型のコケは, 融雪初期に樹幹の周囲の積雪に凍着し, 積雪の沈降に伴って容易に樹幹から剥ぎとられる.したがって, コケの着生高から奥山の積雪深を推定することができる.
富山県立山, 山形県湯殿山で調べたところによると, チャボスズゴケの下端の高さHは, 約10年間の最深積雪深の極値Hmaxの融雪初期の値 (0.8~0.'9Hmax) にほぼ等しかった.それ故Hmaxは, Hmax=1.1~1.2Hで表わされる.

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