雪氷
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北陸地方における降水量計の固体降水捕捉率
大野 宏之横山 宏太郎小南 靖弘井上 聡高見 晋一Thomas WIESINGER
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1998 年 60 巻 3 号 p. 225-231

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抄録

気象庁で使用されているRT-1, RT-3, RT-4型の転倒桝降水量計について,固体降水に対する捕捉率を新潟県上越市において2寒候期にわたり観測した.捕捉率の計算に必要な真の降水量は,WMO「固体降水の比較観測に関する国際組織委員会」が定めた方法に準じて推定した.観測の結果,固体降水の捕捉率はいずれの降水量計でも風速が強いほど減少し,風速4mにおいては無風時の60%程度であった.減少の程度は,RT-3, RT-1, RT-4の順で大きかった.準器に着雪が発生するなど,国際組織委員会が定めた方法は,北陸地方の降雪の特性には必ずしも良く対応していない点があることが観察された.

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