雪氷
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Print ISSN : 0373-1006
吹雪における雪粒子の衝突・反発・射出
杉浦 幸之助前野 紀一
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2003 年 65 巻 3 号 p. 241-247

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抄録

吹雪における雪粒子の衝突実験が近年行われてきている.雪粒子の衝突・反発・射出過程であるスプラッシュ過程の理解のため,まずはじめに雪面近傍における雪粒子の速度・角度をその場観察する取り組みが行われた.複雑に振る舞う粒子の衝突を解析し,雪粒子の速度・角度の分布が求められ,考察が加えられた.その後,任意の速度と角度で衝突する雪粒子がどのような速度と角度で跳ね返るか,また何個の雪粒子を弾き出すかを示す,衝突時の粒子の力学挙動を記述する分布関数であるスプラッシュ関数という概念が導入された.そして鉛直反発係数,水平反発係数,射出粒子数に関するスプラッシュ関数が,実験的手法により定量的に求められた.吹雪は雪面と衝突・反発・射出を繰り返しながら発達するが,これらの実験的研究は,吹雪発達の条件を求めるために用いられるものである.

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© 公益社団法人 日本雪氷学会
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