抄録
温暖化時の月平均気温と月降水量の全国のメッシュデータを基に予測した,最大積雪深の予測値を評価するために,メッシュ気候値2000の最大積雪深を用いて検証を行なった.検証では,現在から2090年代までの10年毎のメッシュ予測値と,メッシュ気候値2000との類似性を評価した.類似性の指標には,差の二乗和の平方根(Root Mean Square Error),差の平均値(Mean Error),累積相対度数分布を用いた.その結果,メッシュ気候値2000は統計期間の中間年が1985年であるにも関わらず,2000年代や2010年代の予測値との類似性が最も高かった.つまり,最大積雪深の予測値は,全体に20年早める修正が必要である.これは,1970年を中間年とする旧メッシュ気候値を1990年の気候であるとして温暖化時の予測値を計算した結果,その間の気候変化が反映されなかったためと考えられる.