環境科学会誌
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集落排水の三次処理システムの開発(1)木炭,鹿沼土,ケナフを用いた複合システム
ジャリア イムラタナボボーン岩崎 貢三程 舟藤原 新二大谷 慶人鮫島 一彦
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2002 年 15 巻 1 号 p. 49-57

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抄録
 集落排水の三次処理システムを開発するために,高知県夜須町の集落排水処理施設で,2本め高度処理実験用水路(A,B)を設置した。各水路(長さ10m,幅56cm,深さ35cm)に,木炭と鹿沼土を敷き,水路Bの鹿沼土の上にはケナフを植えた。通常の方法で処理された二次処理排水を,平均1.2m3/dayの流速,138日間流し,A,B各水路通過前後の窒素,リンを測定し,その除去率を計算した。その結果,実験期間中の窒素,リンの除去率は,水路Aでは39.2%(窒素)と58.3%(リン),水路Bでは51.8%(窒素)と63.1%(リン)であった。これらのことから,特にケナフの成長期には,水路Bが排水処理システムとしては優れているが,冬期には水路Aが利用できると思われる。他方,排水で行った水耕栽培の結果と比較したところ,この処理システムではまだケナフの窒素とリンの除去能力が充分発揮されていないことがわかった。さらにケナフの能力を活用するシステムの検討が必要である。
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