環境科学会誌
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建設廃木材中の金属
―外観によるスクリーニング及び表面と内部の濃度分布―
渡辺 洋一倉田 泰人小野 雄策細見 正明
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2005 年 18 巻 5 号 p. 469-480

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抄録

 建設廃木材の大部分を占める解体廃木材には,木材の防腐処理に使用されたCCA (Chrome-Copper-Arsenate)等の薬剤や一部の塗料顔料に含まれる有害金属,および使用中あるいは解体時に付着する金属等が含まれる。建設廃木材破砕チップ化施設に搬入された解体廃木材を70試料採取し,その外観および金属分布を調べたところ,解体廃木材の色相と金属含有量には密接な関係が認められた。すなわち,緑色,黄色,黒色等の木材内部と著しく異なる色相の解体廃木材の表面には高濃度の金属が含まれること,高濃度の砒素及び銅は防腐処理剤,クロムは防腐処理剤と塗料,鉛は塗料に由来することなどが明らかになった。 また,解体廃木材の表面から芯部にわたる金属分布を測定したところ,金属類は廃木材表面に多く分布しており。表面から芯部に向かって10mmの部分では未使用の木材とほぼ同等の濃度であることが分かった。ただし加圧注入処理木材に含まれる銅,クロム,砒素は表面から芯部に向かって15mm以上の部分で低濃度であった。

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