環境科学会誌
Online ISSN : 1884-5029
Print ISSN : 0915-0048
ISSN-L : 0915-0048
CSRと企業評価に関する分析
馬奈木 俊介八木 迪幸
著者情報
ジャーナル フリー

2008 年 21 巻 3 号 p. 235-238

詳細
抄録

 本研究では環境格付機構による企業の環境経営格付データと個別企業の財務データを用いて,計量分析を行った。対象年度は2002年度から2004年度である。被説明変数として企業の見通しを表すトービンのq(Tobin'sq),説明変数として環境経営格付の各項目データをそれぞれ用いた。 本研究の結果として,法令遵守や企業文化方針を実践する規定や組織に関する評価項目や物流における評価項目,循環型事業経営における評価項目などが,トービンのqと正に有意な相関があった。また苦情対応等に関する社内教育プログラムはトービンのqと負に有意な相関が見られた。これらの結果よりCSRマネジメントは企業業績の無形資産に有意に働くことが実証されたと考えられる。

著者関連情報
© 環境科学会
前の記事 次の記事
feedback
Top