日仏経営学会誌
Online ISSN : 2434-5601
Print ISSN : 0915-1206
日仏の同族企業の現状と課題に対する一考察
水谷 公彦
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2022 年 39 巻 p. 1-25

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抄録

日本の企業の96.9%が同族企業といわれているが、同族企業は非同族企業と比較して財務パフォーマンスが良いとの先行研究がある。その一方で、事業承継等において課題を有している企業が多く、企業数が減少傾向にある。同族企業が地方経済において重要な役割を果たしてきたことを考えると、各同族企業が直面する危機は、地方経済の衰退を意味すると言っても過言ではない。  一方で、フランスの同族企業は、日本に先駆けて同族経営から同族保有へと移行し、企業経営におけるコーポレートガバナンスと、同族としてのファミリーガバナンスの両ガバナンスを意識した対応をすることで事業承継を円滑に実施して存続・成長を図ってきた。フランスの同族企業における取組みを踏まえて日本の同族企業においても活用できる対応策を明らかにすることは、日本の同族企業の存続・成長に資するものと考える。

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