現代の社会病理
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特集
公共政策としてのIRカジノの妥当性について
鳥畑 与一
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2024 年 39 巻 p. 7-19

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抄録

日本におけるカジノ合法化は、カジノの高収益に支えられた統合型リゾートによる国際観光業振興や雇用と税収の増大などの経済効果の大きさゆえに、刑法の賭博禁止の適用免除に十分な公共性を有するというのが根拠とされた。また世界最高のギャンブル依存症対策を講じることで依存症率を最小限に抑制することで経済効果のメリットがギャンブル依存症による社会的コストを上回るとされた。

本稿では、このようなIRカジノ合法化の論拠とされてきた「公共性」の妥当性を、IRカジノというビジネスモデルの特異性と、そしてギャンブル依存症が生み出す社会的経済的被害をいわゆる「Public Health Approach」(公衆衛生アプローチ)の視点から分析し検証するものである。すなわちギャンブル依存症者に収益の大半を依存するカジノのビジネスモデルは依存症対策と矛盾するのであり、ギャンブル依存症による被害は依存症者だけではなく家族や知人そして社会に大きく及ぶのである。

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