本研究の⽬的は、教師の専⾨性の議論からは除外されてきた⼀⾒「⽬⽴たない」⾏為を分析対象にし、解釈学的現象学のアプローチによって、その成り⽴ちを明らかにすることで、教師の専⾨性に対する捉え⽅を拡⼤することである。インタビュイーの岸さんは家で仕事をする必要がある⽇は仕事をするためにスイッチのオンオフを切り替えるということを⾏なって いた。また、スイッチのオンオフの切り替えは岸さんの職業倫理に関わるものでもあった。「⽬⽴たない」⾏為は教師の専⾨性と関わっており、このような⾏為にも⽬を向けなければならないだろう。