抄録
本研究は,省エネルギを目指して設計された建物の省エネルギ効果を実態調査を通して検証し,これが新しい計画へとフィードバックされることを目的としている.本報では,名古屋市北区総合庁舎について実態調査を行い,主に現在日本で多用されている冷温水発生機・全熱交換器および変流量システムの省エネルギ運転実績の調査とその性能評価を行ったところ,変流量の省エネルギ効果は38%であり,また全熱交換器の効率は予定値を上回り,その成績係数も満足すべき値であったが,冷温水発生機には若干の問題があった.そして,省エネルギ効果を確実に得るための設計・保守管理上の知見を得ることができた.